ウクレレコード。別コードで代用して簡単にしたり、雰囲気を盛る方法
こんにちは。takaraです。
こないだ出張で東京に行くことが合って、久々に都市部の楽器屋さんに行きました。いやぁ増えましたねウクレレの本。僕がウクレレを始めて手にとった25年前は、2、3冊しかありませんでした。
楽器屋さんのウクレレ本は、大きく分けると「教則本」、「弾き語り本」、「ソロウクレレのスコア本」です。僕もそうでしたが、初心者の場合はまず教則本。次にその人の好みによって、弾き語り本かソロウクレレ本を買うことになると思います。
今日はそれらの内、弾き語り本を使って楽しんでいる人に役立ててほしい記事で、コードを変えて演奏を簡単にしたり、曲の雰囲気を盛ったりする方法を紹介します。
歌詞もコードも書いてあってとても便利な弾き語り本ですが、僕は次の2点が問題だと思っています。
1.コードネームが指定されていて、一見するとそれを絶対に弾かなきゃいけないと思いがち
2.記載されたコードが単純すぎて、原曲の雰囲気にならない
「1.」の場合、記載コードのポジションが難しいと、ビギナーは愚直にそれを頑張って弾こうとして、挫折してしまいます。
また「2.」の場合、弾けるようになったのに「ウクレレって簡単だけど、まともな音楽出来ない楽器なのね」とか思ってしまう。ビギナーの中には意外とコレが原因で「つまんねぇ」と、ウクレレから離れていってしまう人がいます。
というわけで、これらの問題を解決する方法を紹介していきます。弾き語り本のことを嫌いになっても、ウクレレを嫌いにならないでください。
ウクレレコード。代用できる?できない?表
諸々の説明は後ほどするとして、コードの中には別のコードに変えても曲として成立するものと、しないものがあります。
下の表は、あるコードを何のコードなら代用できて、何のコードには変えていけないか、をまとめた、名付けて「ウクレレコード。代用できる?できない?表」です。ダウンロードボタンからPDFをダウンロードできます。うまく活用してください。
断りを入れておきますが、この表は音楽理論に基づいてコードを体系的に分類したものではありません。多くの楽曲のコード進行の特徴から、経験的にテンションコードの派生先を独自に区分けしたものです。
コードっていうのは面白いもんで、ポッポがピジョンになり、最終的にピジョットになるようなものもあれば、イーブイがシャワーズやサンダーズ、ブースターのどれにもなり得るようなパターンもあります。
表の見方です。
まず、表の左側ほど響きがシンプルなコードです。逆に右側に行くにつれて、コードの響きは複雑になります。
同じ枠内に記載されたコードの中でコードを変更するのはアリです。「全く同じ響き」とは言えないまでも、概ね同等の雰囲気になります。よって代替可能。
青矢印の方向にコードを変えてもOK。「OK」とは「曲として成立する」という意味です。和音の雰囲気は結構変わってしまいますが、代替は可能。ポジションが難しくてどうしてもうまく弾けないとき、青矢印方向にコードを変えれば弾けるのであれば、コードを変えて逃げるのも手です。
黄色矢印の方向は、代替できる場合とできない場合があります。変更してみて伴奏に違和感が出なければ、変えてみても良いでしょう。「響きは複雑でもポジションはシンプルで押さえるのは簡単」というケースもあります。
最後に、✕は代替NGです。やめましょう。よほど意図的に変更するのでなければ事故ります。
次に、あらためて「コードを簡単にする方法」、「雰囲気を盛る方法」を紹介していきます。
難しいウクレレコード。雰囲気をこわさず簡単なコードで代用する
すでに前の見出しで言ってしまってますが、答えは代用可能なポジションが簡単かつ代用可能なコードを弾くことです。「できる?できない?表」に、代用可能なコードが載っているので、その中から「これなら押さえるのが簡単だ」と自分が感じるコードをチョイスすればOKです。
例えば、表中の右側中段あたりに4弦ルートの「◯aug7」がありますよね。これってかなり押さえるの難しいんですね。でも、同じ枠の中に4弦ルートの「◯aug♭9」ってのがあって、ポジションはそこそこ楽です。
もしコードブックに◯aug7が出てきて、「これ押さえるのムリだな」と思ったら、同じルートで◯aug♭9を弾けばOK。曲の雰囲気をある程度維持したままコードチェンジできるわけです。
1つ注意、というより妥協が必要なのは、青矢印側に変更した時は、コードの響きが単純になりがち、という点。コードというのは、その曲の個性を作るためにとても大切なツールですから、響きが単純になることで「原曲の雰囲気がイマイチ出ない」という現象が起こります。
逆に黄色矢印側に代用した時は、コードの雰囲気が複雑になります。ブルーハーツみたいな、あえてシンプルさがウリの曲でこの代用をやってしまうと、「なんかコードが邪魔くさい、お洒落すぎて気持ち悪い」という現象が起こります。
同じ枠外のコードへ代用する時は、雰囲気が微妙に変わるのとトレードオフですから、そこはある程度妥協が必要です。まあ、雰囲気なんて感じ方は人それぞれですから、いろいろやってみましょう。
簡単なウクレレコードをテンションコードに変えて雰囲気を盛る
まず、本に載っているコードですが、これらは「記載されたとおりに弾かないと、曲が再現できない」というものではありません。むしろ本に載っているコードは、プレイヤーが簡単に弾けるように簡素化したコードが掲載されている場合が多く、原曲の再現度は低い。
これ、結構問題だと思っているんですけどね。まあ、とりあえず弾ければいいというモノを目指すのもいいんですが、せっかく新たな楽しみを見つけようとしている人にガッカリ感を与えてしまっている側面がありますよ。
そこで、テンションコードで代用して雰囲気を盛る方法です。はい、お察しの通り「代用できる?できない?表」の黄色方向に代用することで達成できます。
黄色方向にバンバン挑戦して、試しに弾いて、雰囲気を感じ取って取捨選択していきましょう。
ちなみに、表中のコード代用先に2つ以上の選択肢がある場合はどうするのか?
具体的に言うと「◯は、◯7にも◯maj7にも◯sus4にも派生できるようだけど、どれが正解なの?」という問題があります。
音楽理論的には正解があるんですが、コレを説明するのも理解するのも結構しんどいんですね。
「キーのダイアトニックに乗る音を構成音に持ってきて7度を選択するんです。2→5→1で解決する5の時に7の和音を作る場合、ダイアトニックに乗らない◯maj7は不協和音になるので◯7のほうがいいかもね。」とか言われても、何言ってんのかわかりません。
ちなみに上に書いた説明は、僕はもともと知っていたわけではなくて、この記事を書くためにちょっと調べた本に載っていたものですが、理解と検証をするのに1時間かかりました。
アカデミックな音楽理論は知っているに越したことは無いんですが、そんなの知らなくても楽しめるのが大衆音楽の醍醐味ですから、テンションコードは実際に弾いて、雰囲気を感じ取ってチョイスするほうがオススメです。そっちの方が速いし、曲の流れや雰囲気作りを体感的に学習することができます。(と、僕は信じています)
まとめ
以上、このブログを立ち上げてから、始めて3,000字を超えました。疲れましたね、文字が多くてつまんないし。
繰り返しになりますが、巷に出回っている弾き語り本は便利なツールです。コレは本当にそう思っています。が、そのまま弾くだけにとどまらず、自分でコードに変化を加えていくことで、ウクレレはもっと楽しむことができる、ということを知ってほしいと思います。
こんな代用いけるよ!みたいな発見があったら、逆に教えて下さい。それではお疲れさまでした。