初級 ウクレレのLow-Gってなに? メリット・デメリットを詳しく紹介


こんにちは。takaraです。

とりあえずウクレレ買って、ポロポロ弾きだして、ちょっと曲でもやってみよう、という皆さん。楽譜を買って曲にチャレンジするわけですが、たまに見かける「Low-G」という表記に、「なにこれ?」となります。

ということで、今日はウクレレのLow-Gチューニングについての説明です。内容は、次の通り。

・Low-Gチューニングとは
・Low-Gチューニングのメリット・デメリット
・Low-Gチューニングにする方法

・Low-Gにするときの注意点

あ、ちなみに今回はめちゃめちゃ長文で、しかも文字ばっかでつまんないかも知れません。その代わり、かなり詳しく本気で紹介したつもりです。時間あるときにゆっくり読んでみてください。

では始めましょう。

ウクレレのLow-Gチューニングってなに?

ウクレレの基本チューニングは4弦→1弦で、ソ・ド・ミ・ラで、譜面にすると次のようになります。

今では一般化した「Low-Gチューニング」に対して、High-Gチューニング」と呼ばれますが、そもそもこれがウクレレの基本チューニングです。

楽器を購入したときは、通常このHigh-Gチューニングを前提に弦がセットされています。

で、Low-Gチューニングはどうかというと、4→1弦でソ・ド・ミ・ラっていうのは同じなんですが、4弦のソ(G)の音が1オクターブ低いんですね。譜面に表すと次のようになります。

このチューニングは、特にソロ演奏などで、低音域の表現の幅を広げるために生み出されたとされています。

低音域を広げられる、というのは音域の狭いウクレレにとって大きなアドバンテージがありますが、同時にデメリットもあります。

Low-Gチューニングにするメリット

まず、ウクレレをLow-Gチューニングにするメリットを、紹介していきましょう。僕の主観も入りますが、そこはご承知ください。

低音域で弾ける音・メロディーが増える

まずこれ。低音域が増えるので、High-Gでは絶対に出せない音が出せます。下図、赤字の音ですね。

ウクレレでメロディーを弾いていて、たまに経験するのが、「あああああー、最後の一音だけ“(低い)シ”じゃーーん」というケースです。そんな時は、やるせない気分になります。

でもLow-Gなら、3弦の「ド」が最低音であるHigh-Gに対して、さらに低い方向に、シ・シ♭・ラ・ラ♭・ソ、が弾けますからね。その分、低音域の旋律に対応できることになります。

まぁ、メロディーに(低い)ソ♭以下の音が出てきた時に、結局同じことが起こるんですけど、High-Gよりはずいぶんマシになります。

コードがどっしりする

定性的な表現になりますが、「低音域がある」というのは「音の安定感・重厚感が増す」と言えます。

例えばピアノの真ん中あたりの鍵盤で「ド・ミ・ソ」の和音を弾いた時と、88鍵ある鍵盤の上の方で「ド・ミ・ソ」を弾いた時。どっちが安定感がある? と聞かれたら、明らかに真ん中あたりの「ド・ミ・ソ」です。

Low-Gチューニングの場合、コード(和音)の構成音の中に低音が混ざることで、安定感・重厚感が出ます。

特にモノを言うのが、コードのルート音(例えばAm7なら「A」の音)を低音の4弦に配置したときの響き。これはHigh-Gには絶対に出せない雰囲気です。

運指が自然

「運指」というのは、楽器を弾くときの指の動かし方、指の運び方ですね。

結構見落とされがちなメリットですが、単音でメロディーを弾く場合は、High-GよりもLow-Gの方が自然な運指ができます。

多くの人になじみのある楽器(ピアノ、ギター、リコーダーなど)は、音が低い方から高い方に行くにつれて、運指が一方向的に動く楽器が多いです。

一方、ウクレレの基本チューニングであるHigh-Gの場合、最低音が3弦、→2、1弦へ行くにしたがって高音。まぁこれは良し。でも、逆方向の4弦へ行っても高音。おいおーい、実にトリッキーな仕様ですよ。

で、これをLow-Gにすることで、ギター同様に自然な運指でメロディーの昇降ができるようになるわけです。そもそもLow-Gにした場合、ウクレレの音はギターの一部(ギターで1~4弦の5フレット以上)と全く同じ音になります。

なので、(特にギターをやっている人にとって)Low-Gは、「手早くウクレレに馴染む」という意味では、非常に有効なチューニングです。

ウクレレソロ演奏に向く(?)

ウクレレソロ演奏っていうのは、伴奏パートとメロディーを一人で同時にやっちゃう演奏です。で、伴奏を充実させるために有効なポイントの一つが、低音(特にバンドでいうベースパート)を含ませる、という点。

Low-Gにすると低音域が広がるので、ソロの伴奏パートの中にベースの雰囲気を表現しやすくなる、という事です。

ここからは僕の個人意見で、見出しに「?」を付けた理由でもあります。結構マニアックな話になるので、めんどい人はスルーしてください。

ソロ演奏するならLow-Gの方がいいか? という質問に対しての僕の答えは「どちらとも言えない」です。なぜかというと、そもそも伴奏を充実させる事が目的であって、低音を入れるのはその手段の一つだから。

伴奏も充実させる方法は他にもあって、例えばコードのテンションを工夫するのも一つです。そうした場合、Low-Gでベース音を入れると、その分コードのテンションに廻せる音数(弦)は1つ減るわけですよ。

僕は、コード(和音)の構成音に何の音をチョイスするか、テンションをいくつ入れるか、っていうのは伴奏においてベースパートと同等に重要だと思っています。

なので、Low-Gにした方がソロ演奏は有利、とは必ずしも言い切れない。

まぁ、賛否あると思いますが、実際にHigh-Gで素晴らしいソロパフォーマンスをするウクレリストは沢山いますからね。Low-Gだからソロ演奏イケるってのはちょっと安直じゃないかなぁ、と思っています。

Low-Gチューニングにするデメリット

続いてデメリットの紹介ですね。例によって僕の主観も入りますんで、ご了承ください。

音が重くなる

これは単純に、メリットで紹介したことの裏返しです。低音が入ることで、悪く言うと音の印象が重たくなります。

重い印象(重厚感)をメリットとして受け取る人にとっては何の問題も無いですが、「ウクレレらしい軽快な音がいい」という人には向きません。まぁ、好みですね。

High-G用に最適化された楽譜は弾けない

楽器屋さんに行くと、たまにHigh-G用」と書かれた譜面があります。これはLow-Gでは弾けません。正確には弾けない訳ではありません。4弦で弾く音だけ、狙いの音から1オクターブ低くなってしまいます。

High-G用の譜面をあえてLow-Gで弾く人も居ないかもしれませんが、一応知っておきましょう。

特に曲のメロディーの一部に4弦を使っている場合、その部分だけズーンと下がります。世界のナベアツの「3のときだけアホになる」ネタの逆バージョンみたいになります。(もうみんな知らないか…)

ちなみに、High-GLow-Gどっちでもイケます」みたいな譜面がありますが、これは大丈夫です。曲のメロディーに、4弦を使わないように編曲されてますから、メロディーの音飛びはありません。

コードのポジショニングをある程度選ぶ必要がある

これが意外と見過ごされがちですが、結構重要(だと思ってます)。

コードを弾く場合は複数の音を同時に鳴らします。で、コードの構成音には、低音に配置した方が良い音と、高音に配置した方が良い音があります。

今回の記事のメインコンテンツではないので深く説明しませんが、例えばルート音であれば、より低音にした方がコードの印象がはっきりします。

High-Gの場合は、すべての弦の音域が狭いので、配置をそこまで意識しなくても、必要な構成音どこかに入っていればそれなりにコードの雰囲気が出ます。

一方Low-Gの場合、低音域が広がる分、低音側に入れた方が良い音、そうでない音を意識してポジショニングを選ぶ必要が出てきます。

コードブックには、そんなことまで丁寧に書いてないので、自分でコードの構成音を理解して最適なポジションを選ぶわけですね。これ、初心者には大変な作業ですよ。

Low-Gの場合、何も考えずになんとなくコードブックに書いてあるポジションを押さえていると「なんだか曲の雰囲気が出ないなぁ」という事になります。

特に、High-Gにある程度慣れてからLow-Gに移行した人は、コードのポジショニング選びをゼロからやり直してもいいくらいだと、僕は思っています。

楽器を買う前に試奏できない

これは、楽器を通販で買うことに抵抗が無い人にとっては、関係の無いデメリットです。

ウクレレはHigh-Gがスタンダードチューニングですから、初期状態ではHigh-Gの弦が張ってあります。なので通常、楽器店にLow-Gチューニングのウクレレは用意されてません。ひょっとしたら有るのかもしれませんが、僕は見たことありません。

楽器を買うときに自分の耳で確かめてから買う派のあなた。店員さんにねだって弦を変えてもらう(ダメって言われるでしょうけど)か、あきらめましょう。

逆に楽器屋さん。最近はLow-Gもずいぶん一般化してきたので、お店にLow-Gのウクレレをガンガン置いてみるのもいいかもしれませんよ。

ジャカソロに向かない(というよりは下手だとホントに誤魔化しが効かない)

ジャカソロってのは、ソロウクレレの演奏方法の一つです。コードをジャカジャカ弾きながら、そのコードのどこかに曲のメロディーラインを含ませて、曲を成立させる、という奏法ですね。

カマテツさんの演奏が分かりやすくてすごいので、リンクを貼っておきます。

リンク → 「免許皆伝!ウクレレ・ジャカソロ塾 2」(譜例集付き)

で、Low-Gがジャカソロに向かない理由は、一言で言うと4弦が低音だからです。

High-Gのウクレレは、ダウンストローク(上から弾き下ろす)しても、アップストローク(下から弾き上げる)しても、音のニュアンスが近くなるようになっています。

これは1弦と4弦の高音弦で2・3弦を挟み込んでいるからですね。どっちから弾いても高音から入って、高音へ抜ける。

これがLow-Gになると、ダウンの時は低音→高音、アップの時は高音→低音になっちゃう。「ほら、ダウン・アップのニュアンスが違くなっちゃうでしょ!」という理屈です。

この弦の高低差から生まれるニュアンスの差を均一に聞かせるには、かなり正確なストロークの技術が求められます。

もう一つ、メロディーですね。

ジャカソロではコードジャカジャカにメロディーを織り交ぜるので、メロディーがコードの構成音に隠れてしまいがち。メロディーを際立たせつつ、その他構成音も均一に鳴らす技術が必要になってきます。

へたくそがLow-Gでジャカソロをやると、ただ何かコードを弾いてるだけに聞こえてしまうわけです。

Low-Gの場合、ひときわ目立つ4弦の低音が入るため、なおさらメロディーがボヤけます。High-Gでやっても、ジャカソロでメロディーを際立たせるのは難しい。Low-Gならなおさら、ということです。

ただ、実際Low-Gでキレイなジャカソロをしているウクレリストは居ます。著作権の都合でリンクを貼れませんが、Low-Gでも鍛錬すれば、ジャカソロはできるという良い見本ですね。

ウクレレをLow-Gチューニングにする方法

ウクレレをLow-Gチューニングにする場合、単純にHigh-Gのウクレレで4弦を低くチューニングしてもできません。

Low-Gチューニングにするには、それ用の弦を買う必要があって、専用のセット弦が売ってます。

High-G用の弦セットから、4弦だけオクターブ低い「G」の音が出せる太い弦に変わったもので、1~3弦はがHigh-Gと同じです。

こんなやつ。

買って弦を張り替えて、あとはHigh-Gのウクレレと同じ方法でチューニングするだけです。

Low-G弦にするときの注意点

Low-G弦にするときに、知っておきたい注意点が2つあります。

・楽器によってはナットの溝が合わない
・4弦のドロップが大きい

では、詳しく説明していきます。

楽器によってはナットの溝が合わない

「ナット」というのは、ウクレレのネックとヘッドの境にある、弦を支えている部位です。

ナットには、弦が上下にずれないように、溝が加工してあるんですが、この溝がHigh-Gを前提に加工されています。

で、High-Gの場合は4弦は細いですよねぇ。溝も細いです。なので、High-Gよりも太いLow-G用の4弦は、この溝に入りきらない時があるんですね。

ここからは「じゃぁどうするの?」 という話を紹介します。

正攻法

世にいう正しい解決方法は、「ナットの溝を広げるように加工する」です。

自分でヤスリか何かでこすって溝を広げても良いんですが、そこは自己責任。溝がやたら広がったり、溝が深くなって弦を支持する高さがかわってしまったりします。

そうすると、ピッチ(音程)が悪くなったり、弦高(指板から弦が浮いている高さ)が下がって、弦がフレットに当たったりします。リスクを負いたくない人は、信頼できる楽器屋さんに頼んで加工してもらいましょう。

邪道な方法

ここからは邪道な方法です。これも自己責任ですが、ヤスリで削るよりは(たぶん)リスクは低いです。

簡単に言うと、「溝に無理やり入れ込む」という作業。ウクレレの弦をナットの溝に押し付けながら、ゴシゴシ・グイグイやってるとそのうち溝にハマります。

タオルの両端をそれぞれ両手に持って、背中をゴシゴシする感じですね。わかるかなぁ…。

僕は今までずーっとこの方法でやってます。ナットの加工をしたことは一度もありません。で、ノーブランド・ブランド品含め20本以上のウクレレでLow-Gやってますが、この方法で出来なかったことはありません。そして、この方法で楽器の音程・音質・外観等に異常をきたしたことはありません。

ひょっとしたら、気付いてないだけで、とんでもない無茶な事をしてるのかもしれませんけどね。

だってさぁ…。高校生の時に、楽器屋さんで加工してもらう金なんて無かったもんね…。でそれ以来、このやり方でずっと出来ちゃってたしさぁ…。まぁ、自己責任でどうぞ。

4弦のドロップが大きい

これは注意点というより、知っておいてね、くらいの情報です。

弦楽器は弾いた直後と、音が伸びて減衰する時で、微妙にピッチ(音程)が変わります。弾いた直後は高く、減衰とともにピッチは下がり、これを「音がドロップする」とか言ったりします。

ドロップは、音程の低い弦ほど大きくなる傾向があるため、Low-G4弦はドロップが大きくなるわけです。

まぁ、言ってもギターやベースほどウクレレの音は低くないので、たかがしれてます。ただ、「あれ?、弾いた直後と減衰時に音が変わってない?」という事があると思いますんで、心構えとして一応知っておいてください。

ちなみに、基本的には音の減衰時でチューニングを合わせます。詳しくは下の記事を参考にしてください。

まとめ

以上、ウクレレのLow-Gチューニングのいろいろでした。長文お疲れ様でした。

意外ととっかかりやすいLow-Gチューニング。ウクレレに必ずしも軽快さを求めていない人にとっては、一度やってみる価値があります。

ウクレレを買ってとりあえずHigh-Gで遊んで、なんか面白くないと感じた人。やめる前に一度Low-Gチューニングを試してみてはどうでしょう。ハマるかもしれませんよ。

では、ウクレレラバーの皆さん、さようなら。長文、最後まで読んでくれてありがとうございました。もっと自分に有ったウクレレの楽しみ方を見つけられるといいですね。